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  • キャンパー井上

鰹の国。


金曜日は、有給を申請していた。

かなり前からの計画。

待ちに待った金曜日の天気。

凄まじい雨予報。

仕事も溜まっているので、金曜は有給を諦めよう。

ほぼほぼ気持ちは固まっていたが、一応石田君に聞いた。

『百と八つの流れ星』って染み出しとかあるかと。

あの岩は濡れてても触れる不思議な岩質で、雨でも洞窟ボルダーとかあるし、全然いけると。

石田君は繰り出すムーヴこそ詐欺だが、それ以外は信用できる男だ。

決行となった。

軍曹もオーガさんもおそらく全く気乗りしていない。

前日に決まって、金曜朝は難波に8:00集合。

凄まじい雨。

ワイパーは最速で動かすのはいつぶりだろう。

今日岩を登るとは、到底思えない景色。

逆に笑うしかない。

向かったのは高知県。

最近明石海峡大橋しか渡っていない。

途中、ユニクロでパーカーを買うという謎の時間。

五時間の長旅を経て、着いたのは大山岬。

岩屋という喫茶店の周りに、ケイブボルダーと呼ばれるリード・ボルダー群がある。

堤防外にも、ランディングが悪くて有名な課題が、ごろごろと見つかった。

天気は着いた時にはよくなったが、洞窟内はびしょびしょ。

水滴が、あらゆるところから落ちてきていた。

外に行くあてもなかったので、調べて出てきた課題を触ることにした。

『ルート88』初段。

見た感じガバばかりの課題だが、長く、明らかに繋げる核心のトラバース課題。

宮川の『地層』初段にそっくりだ。

一番ヨレる最後のパート以外は、濡れてなくていい感じだった。

早速取りつく。

フラッシュトライを一瞬で失い、各パート練習。

最後のパートまではいい感じにエコ化できたが、ラスト手前のアンダー寄せからの一手がつらい。

軍曹のアドバイスで、びしょびしょのガバアンダーを使うことにした。

トライ前タオルで拭く大作戦で、何とか完登。

オーガさんはバラしたが繋がらず、軍曹はつゆだくマットへのダイブの可能性から乗り気にならず。

そのまま次へ移動した。

お目当ての流れ星は見つけられず。

岩さがし程度に考えていた次のエリアの名村を訪れた。

公民館に止め、マット一枚だけもってテクテクと歩いた。

『fanaticism』二段、『裏筋』初段、『縁』初段が見つかった。

夕日を背に、縁を触ってフィニッシュ。

十分いい感触をもらいながらも、マット一枚の恐怖に勝てず撤退。

今日のクライミングは、これにて閉店。

明日の予定をなんとなく決め、当日予約でホテルも決めた。

一室だけ残っていた【サンライズ高知ホテル】にチャックインし、繁華街へ繰り出した。

僕たちの目的は、もちろん鰹だ。

帰り道、検索しまくり見つけた【たたき亭】へ。

鰹のたたき、ウツボの天ぷら。

ビールで始まり、明日の課題の皮算用。

ウツボのひれ酒を飲みながら、松風・流れ星の話をする。

まだ見ぬホールドへの期待感と至福の料理。

ここがおそらく天国。

この後明日の岩が楽しみ過ぎて全く寝つけず、寝不足で朝を迎えるとは露知らず。


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