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  • キャンパー井上

クライミングとは。


今週はロクに登れていない。

世を忍ぶ仮の姿は、某社の経理部だ。

決算締めの為、この時期は休日出勤がデフォルトだ。

土曜日に死ぬ気で働いた。

日曜日は、呼ばれたら二時間以内に会社に来る。

そういう条件で休みをもらった。

向かったのは笠置。

撃ちたい課題があり、かつソロで行ける。

着いたのは6:30。

もちろん僕は二番手。

向かう途中、南裏の岩の上ににうずくまってる男がいた。

一瞬ですべてを理解した。

まさきの戦いが終わったようだ。

17日間撃ち続けたものが込み上げ、泣いていた。

僕にはまだその経験がない。

その感情についていう資格はない。

ただ嬉しいなんて言葉では言い表せない色々な思いが爆発するのだろう。

トライの瞬間には立ち会えていないが、登れたまさきの泣く姿に感動した。

心からおめでとう。

僕の方はというと、相変わらず『鮎』初段。

この日だけでも、何度飛んだかわからない。

この課題はよくわからない。

パチンコの確変の様に、初手が止まりまくる期間があれば、全く止まらない期間もある。

その期間が入れ替わりする内に、指に穴が空いて終わる。

そんな課題だ。

先に笠置を後にするまさきを見送った後、大勢の人が来た。

知り合いもたくさん来た。

懐かしのSさんとも談笑して、気分転換ができた。

それが良かったのか、ほぼ諦めていたが、急に止まってそのまま登れた。

本当に嬉しかった。

ただ、登れたことに対する嬉しさではない。

もうこの課題と別れられる嬉しさだ。

最後まで博打感が強かったが、結局のところ【左手めっちゃカチる】というメモが一番大事だった。

右足のソールはもはや魔改造したように、鮎用のソールになっていた。

まさきがくれたテーピングといい流れに感謝した。

その後はチャビンさん達が来たので、一緒に『うなぎ』初段セッション。

実は、二週間前気づいたことがあった。

これが僕にとってはかなり画期的な事で、気づくのに4年半かかった。

【クライミングは足である】と。

知らなかった。

僕はカチをする時、前腕と上腕は90%から100%の力を入れる。

その方が持てている気がするからだ。

けど気づいた。

カチは、手首より上だけでできるということに。

肩から上腕・前腕の力を抜くことで、足に体重がかかり、スタンスに乗ることができる。

うなぎで僕だけ浮かない理由が判明した。

鮎を目標にしていたのはもちろんだが、その証明をする為にここに来た。

いざ勝負。

う。

う。

浮かない(笑)

結局色々試したが、両手激カチキャンパーが、一番距離が出ることがわかった。

今日また一つ学ぶことになった。

【クライミングは結局パワーである】。


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